- 原状回復費用の相場は坪単価1〜15万円。業種によって大きく異なる
- 費用を抑える3つの方法:複数見積もり・居抜き売却・オーナー交渉
- 業者によって30〜50%の価格差が出ることも珍しくない
- 居抜き売却が成立すれば原状回復費用は0円になる
原状回復費用とは
原状回復費用とは、テナントを退去する際に、入居前の状態(スケルトン状態)に戻すための工事費用です。多くの賃貸借契約では、退去時の原状回復義務が定められています。具体的には、内装の撤去、設備の撤去、床・壁・天井の復旧、配管・配線の撤去などが含まれます。
原状回復の範囲は契約書に記載されていますが、「原状」の定義が曖昧なケースも多く、オーナーと借主の間でトラブルになることがあります。退去前にオーナーと書面で原状回復の範囲を確認しておくことが重要です。
業種別の原状回復費用相場
| 業種 | 坪単価 | 主な工事内容 |
|---|---|---|
| 飲食店(重飲食) | 8〜15万円 | 厨房撤去、ダクト撤去、グリストラップ撤去 |
| 飲食店(軽飲食) | 5〜8万円 | 簡易キッチン撤去、内装解体 |
| 美容室 | 5〜8万円 | シャンプー台配管撤去、セット面撤去 |
| 小売店 | 1〜4万円 | 什器撤去、内装撤去 |
| オフィス | 1〜3万円 | パーティション撤去、配線撤去 |
| 製造業 | 3〜20万円 | 大型設備撤去、産業廃棄物処理 |
原状回復費用を安くする3つの方法
方法1:複数業者から相見積もりを取る
これが最も効果的な方法です。原状回復業者は3社以上から見積もりを取りましょう。業者によって30〜50%の価格差が出ることも珍しくありません。
注意点として、不動産管理会社やオーナーが「指定業者」を紹介するケースがありますが、指定業者は割高な場合が多いです。契約書に「指定業者に依頼すること」という条項がない限り、自分で業者を探す権利があります。
方法2:居抜き売却を検討する
居抜き売却が成立すれば、原状回復費用は完全に不要になります。さらに、内装・設備の売却収入も得られるため、経済的メリットは非常に大きいです。
飲食店の居抜き売却相場は坪単価5〜20万円。30坪の店舗なら150〜600万円の売却収入が見込めます。原状回復費用の節約分と合わせると、300〜900万円以上の差が出ることもあります。
方法3:オーナーと交渉する
原状回復の範囲について、オーナーと交渉の余地がある場合があります。たとえば、「スケルトン渡し」ではなく「現状有姿渡し」や「一部原状回復」で合意できれば、費用を大幅に削減できます。
交渉のポイントは、次の借主が決まっている場合や、内装の状態が良好で次の借主がそのまま使える可能性がある場合です。オーナーにとっても、空室期間を短縮できるメリットがあります。
原状回復でよくあるトラブルと対策
経年劣化分まで請求された
通常使用による経年劣化は借主の負担に含まれません。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づき、不当な請求には根拠を持って反論しましょう。
見積もりと実際の請求額が大きく異なる
工事前に見積もりの内訳を確認し、「追加費用が発生する場合は事前に承諾を得る」旨を書面で合意しておきましょう。追加工事が必要になった場合も、必ず事前に説明を求めてください。
敷金から原状回復費用を差し引かれた上に追加請求された
敷金の精算明細と原状回復工事の見積もりを照合し、不明な項目があれば詳細な説明を求めましょう。納得できない場合は、各地の借地借家問題の無料相談窓口や弁護士に相談することをおすすめします。
まずは費用を把握しましょう
業種・規模・テナント情報を入力するだけで、廃業にかかる費用の概算が30秒で分かります。居抜き売却やM&Aとの比較も確認できます。