- 廃業時に使える節税テクニックは5つ。知っているかどうかで数十万円の差が出る
- 欠損金の繰戻し還付で過去に支払った法人税の還付を受けられる
- 廃業年の経費を漏れなく計上することが最も基本的かつ重要な節税
- 小規模企業共済の一括受取りは退職所得控除が適用され、税負担が大幅に軽減
廃業時にかかる税金
廃業時に発生する税金は、個人事業主と法人で異なります。個人事業主の場合は所得税・住民税・消費税・事業税が対象。法人の場合は法人税・法人住民税・法人事業税・消費税が対象です。
重要なのは、廃業した年(事業年度)も確定申告が必要ということです。個人事業主は廃業年の翌年3月15日まで、法人は解散日から2ヶ月以内に解散確定申告、残余財産確定日から1ヶ月以内に清算確定申告を行います。
節税テクニック1:廃業年の経費を漏れなく計上する
廃業時にかかった費用は、原則としてすべて経費(損金)に計上できます。多くの経営者が見落としがちな経費項目は以下の通りです。
- 原状回復費用(全額経費)
- 解約違約金(全額経費)
- 従業員退職金(全額経費)
- 在庫の廃棄損(売却できなかった在庫)
- 設備の除却損(残存簿価を経費計上)
- リース解約違約金(全額経費)
- 看板撤去費用、ウェブサイト閉鎖費用
- 税理士・司法書士・弁護士への報酬
節税テクニック2:欠損金の繰戻し還付を活用する
法人が廃業年度に赤字(欠損金)を出した場合、前年度に支払った法人税の還付を受けられる制度があります(法人税法第80条)。たとえば、前年度に100万円の法人税を支払い、廃業年度に300万円の赤字が出た場合、前年度の法人税100万円が還付されます。
この制度は中小企業(資本金1億円以下)に限定されますが、廃業時は原状回復費用や退職金などで赤字になりやすいため、活用できるケースが多いです。
節税テクニック3:小規模企業共済の一括受取り
小規模企業共済に加入している場合、廃業時に共済金を一括で受け取ると「退職所得」として課税されます。退職所得には退職所得控除が適用されるため、税負担が大幅に軽減されます。
たとえば、20年間掛金を積み立てた場合の退職所得控除額は800万円。共済金の受取額が800万円以下なら、税金はゼロです。分割受取りも選択できますが、一括受取りの方が税務上有利なケースが多いです。
節税テクニック4:消費税の届出タイミングを最適化する
課税事業者が廃業する場合、「事業廃止届出書」を税務署に提出します。この届出のタイミングによって、最終課税期間の消費税額が変わる場合があります。特に、廃業に伴い大きな経費(原状回復費用など)が発生する場合は、消費税の還付を受けられる可能性があります。
簡易課税を選択している場合は、原則課税に変更した方が有利な場合もあります。消費税の処理は複雑なため、税理士に相談することを強く推奨します。
節税テクニック5:個人事業主の事業税の見込み控除
個人事業主の事業税は、前年の所得に基づいて翌年に課税されます。廃業年度に事業税の見込み控除(見積計上)を行うことで、所得税を抑えることができます。具体的には、廃業年度の確定申告で翌年に課税される事業税の見込額を経費として計上します。
これは見落とされがちなテクニックですが、事業所得が大きい場合は数万円〜数十万円の節税効果があります。
まずは費用を把握しましょう
業種・規模・テナント情報を入力するだけで、廃業にかかる費用の概算が30秒で分かります。居抜き売却やM&Aとの比較も確認できます。