- 年商3,000万円以下の小規模M&Aでも買い手が見つかる時代
- 売却額の目安は月商の6〜36ヶ月分。業種・利益率・顧客基盤で変動
- バトンズ・トランビなどのマッチングプラットフォームを活用すれば、仲介手数料を抑えられる
- 売却の流れは準備 → 査定 → 買い手探し → 交渉 → 契約の5ステップ
小規模M&Aとは
小規模M&A(スモールM&A)とは、年商数百万円〜数千万円規模の企業や事業を対象とした合併・買収のことです。かつてM&Aは大企業の専売特許でしたが、近年はマッチングプラットフォームの普及により、個人事業主や小規模法人でもM&Aが現実的な選択肢となっています。
中小企業庁の「事業承継・引継ぎ支援センター」の成約件数は年々増加しており、2023年度は約1,700件。バトンズやトランビなどの民間プラットフォームを合わせると、年間5,000件以上の小規模M&Aが成約しています。
売却額の目安
小規模M&Aの売却額は、一般的に「年間営業利益の2〜5倍」または「月商の6〜36ヶ月分」で算出されます。ただし、以下の要素によって大きく変動します。
| 要素 | 高く売れる場合 | 安くなる場合 |
|---|---|---|
| 利益率 | 営業利益率10%以上 | 赤字または利益率5%未満 |
| 顧客基盤 | リピート率が高い、会員制 | 新規依存、顧客リストなし |
| 属人性 | 仕組み化されている | 経営者がいないと回らない |
| 立地 | 好立地、人通りが多い | 郊外、アクセスが悪い |
| 設備の状態 | 新しい、メンテナンス良好 | 老朽化、修繕が必要 |
M&A売却の5ステップ
Step 1:事前準備(1〜2ヶ月)
決算書の整理、事業概要書の作成、売却希望額の設定を行います。過去3年分の決算書、顧客数、月次売上推移、固定費の内訳などを整理しておきましょう。「ノンネームシート」(匿名の事業概要書)を作成し、公開する情報の範囲を決めます。
Step 2:査定・プラットフォーム登録(1〜2週間)
バトンズ(年商1億円以下に強い)、トランビ(幅広い業種をカバー)、M&Aサクシード(日経グループ運営)などのプラットフォームに登録。無料で企業価値の概算査定を受けられます。
Step 3:買い手探し・面談(1〜3ヶ月)
プラットフォーム上でマッチングした候補者と面談を行います。まずはNDA(秘密保持契約)を締結し、詳細な情報を開示します。買い手候補とは複数回の面談を行い、相互理解を深めることが重要です。
Step 4:条件交渉・デューデリジェンス(1〜2ヶ月)
売却価格、引き継ぎ期間、従業員の処遇、競業避止義務などの条件を交渉。買い手側のデューデリジェンス(財務・法務の調査)も行われます。基本合意書(LOI)を締結した上で進めます。
Step 5:最終契約・クロージング(2〜4週間)
最終契約書(SPA:株式譲渡契約書またはAPA:事業譲渡契約書)を締結し、対価の支払いと事業の引き渡しを行います。引き継ぎ期間は通常1〜3ヶ月。この間、売り手は買い手への業務引き継ぎをサポートします。
M&Aにかかる費用
| 費用項目 | 金額目安 |
|---|---|
| プラットフォーム利用料(売り手) | 無料〜成約時に売却額の5% |
| M&A仲介手数料 | 売却額の5〜10%(最低報酬150〜300万円) |
| 弁護士費用(契約書チェック) | 10〜30万円 |
| 税理士費用(税務処理) | 5〜20万円 |
バトンズは売り手の手数料が無料(成約時の成功報酬のみ、最低報酬25万円)のため、小規模事業者には特に利用しやすいプラットフォームです。仲介会社を利用する場合は最低報酬が150万円以上のケースが多いため、売却額が小さい場合はプラットフォーム直接利用が経済的です。
まずは費用を把握しましょう
業種・規模・テナント情報を入力するだけで、廃業にかかる費用の概算が30秒で分かります。居抜き売却やM&Aとの比較も確認できます。