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労務

廃業時の退職金計算|従業員への支払い額と節税方法

廃業時の退職金計算方法。勤続年数別の相場、中退共の活用法、税務上の注意点を解説。

この記事のポイント
  • 廃業時の退職金は勤続3年で15〜30万円、10年で50〜100万円が中小企業の相場
  • 中退共(中小企業退職金共済)に加入していれば、共済から直接従業員に支払われる
  • 退職金は退職所得控除により、従業員側の税負担が大幅に軽減される
  • 解雇予告手当(30日分の平均賃金)は法律上の義務。30日前通知で不要

廃業時の退職金:基本ルール

退職金の支払い義務は、就業規則や雇用契約書で定められている場合に発生します。法律上、退職金の支払いは義務ではありませんが、就業規則に「退職金を支給する」と記載している場合は、支払いの義務が生じます。中小企業庁の調査によると、従業員10名以上の中小企業の約75%が何らかの形で退職金制度を設けています。

一方、解雇予告手当は労働基準法第20条で定められた法的義務です。廃業に伴う解雇であっても、30日前に解雇予告を行わない場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。解雇予告は30日前から行えば手当の支払いは不要です。

勤続年数別の退職金相場

東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(2023年版)」によると、中小企業(従業員10〜299人)の退職金相場は以下の通りです。

勤続年数自己都合退職会社都合退職
3年12〜20万円15〜30万円
5年25〜45万円30〜55万円
10年45〜80万円50〜100万円
15年80〜130万円100〜160万円
20年130〜200万円150〜230万円

※ 廃業に伴う解雇は「会社都合退職」として扱われます。

中退共(中小企業退職金共済)の活用

中退共は、国が運営する中小企業向けの退職金共済制度です。毎月の掛金(5,000円〜30,000円/人)を積み立て、従業員が退職する際に中退共から直接退職金が支払われます。廃業時の大きなメリットは以下の3つです。

  • 手元資金が不要:退職金は共済から直接従業員の口座に振り込まれる
  • 掛金は全額損金算入:毎月の掛金は経費として計上可能。節税効果がある
  • 新規加入時に国の助成あり:加入後4ヶ月目から1年間、掛金の1/2(最大5,000円)が助成される

退職金の税務処理

退職金は「退職所得」として課税されますが、退職所得控除により税負担が大幅に軽減されます。退職所得控除額は、勤続年数20年以下なら「40万円 x 勤続年数」、20年超なら「800万円 + 70万円 x(勤続年数 - 20年)」です。

勤続年数退職所得控除額
5年200万円
10年400万円
15年600万円
20年800万円

中小企業の退職金はほとんどの場合、退職所得控除の範囲内に収まるため、従業員側の税負担はゼロになることが多いです。ただし、従業員に「退職所得の受給に関する申告書」を提出してもらう必要があります。

退職金の支払いが困難な場合

資金繰りが厳しく退職金の一括支払いが困難な場合、従業員と話し合いの上で分割払いにする方法があります。書面で合意を取り、支払いスケジュールを明確にしておくことが重要です。また、未払賃金立替払制度(独立行政法人労働者健康安全機構)を利用すれば、退職金の一部(上限あり)が立て替えられる場合もあります。

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